「売上も順調に伸びているし、利益もしっかり出ているのに何故かお金が残らない。」「月末になるといつも資金繰りが心配で夜もよくよく眠れない。」「事業が拡大しているときなど、売上面の心配はないのだけれども、何故か資金繰りが心配になって、「大丈夫かな?」と夜中に目が覚める。」理由はわからないけれども、「資金繰りは大丈夫か?」という心配にとらわれてしまう。この心配はどこからくるのでしょうか?
「資金が心配だな」と経営者が感じるときは、十中八九近い将来、資金繰りが悪くなります。 緻密な資金予測や資金分析をするまでもなく、何よりも先に経営者が感覚的に察知することの方が不思議と多いものです。 ただ、その近い将来がどんな理由で、いつぐらいに、どれぐらいの衝撃で起こるのかが漠然としていて、具体的な行動がとれないことが経営者にとっては大変歯痒く、もやもやした心配が続く原因のひとつとなっているようです。
経理担当者から月末に「支払いのお金が足りません。」という社長への突然の報告。管理は任せているのに「何を管理してるんだ!。」と叱り飛ばしたい気持ちになるのは当然のことですが、実は資金繰りは取引の段階でほぼ結果が決まっていてます。 ということは経理担当者が懸命に請求書を掻き集めて整理して社長に報告できる状態にしてからでは手遅れというのが資金繰りの特徴なのです。
資金繰りは生活習慣病に良く似ていて、生活習慣(企業の商習慣)が知らず知らずのうちに重大な病気(資金ショート)を誘発するものです。 商習慣をもとに食事の内容(取引内容、投資内容)などが企業体力にあったものなのかどうかを事前に判断し、コントロールすることが必要となります。
治療計画の第一歩は自分の習慣を知ることから始まります。この際役にたつのが、キャッシュフロー計算書、資金運用表、資金繰表、資金移動表などの資金四表です。ここで精密検査を行い資金体質についての診断を行います。 その後、資金繰予定表や予想キャッシュフロー計算書などの未来計画を行い、将来予測される事態と衝撃の大きさを把握して、その原因となる習慣の特定と具体的な改善を行っていきます。